焦げ付かなくて便利なフッ素樹脂加工のフライパン。
安くて便利ですが、よく知らないまま使っている人が多いかも。
そこで、フッ素樹脂加工について書いてみたいと思います。
フッ素樹脂加工とは
フッ素樹脂加工とは、フッ素樹脂を金属などの表面に塗膜化する加工のことです。
フッ素樹脂と金属は、プライマーと呼ばれる下地により接着されています。
フライパンの場合、多くはアルミにフッ素樹脂を接着しています。
フッ素樹脂加工すると、モノが付着しにくくなったり、表面のすべりが良くなったりします。
これにより焦げ付きにくくなり、便利なフライパンになります。
なお、フッ素樹脂加工の他に「テフロン加工」と書かれてることもありますが、これはほぼ同じものです。
「テフロン加工」というのは、アメリカにあるデュポンという会社が登録している商標で、デュポン社製のフッ素樹脂で加工されたものをテフロン加工と呼びます。
フッ素樹脂加工のフライパンは危険?
ちょっと化学をかじったことのある人は「フッ素は非常に危険な毒物」だと思っているかもしれません。
たしかに、フッ素単体では危険な毒物ですが、自然界ではフッ素が単体で存在することはなく、必ず何かと結合し化合物になっています。
そして化合物になると簡単に分離できないくらい安定するのがフッ素の特徴でもあります。
いままでにフッ素化合物による健康被害が報告された例はありますが、それは飲み水に溶け出していたなど、大量に長期間摂取した場合のものです。
一般的に調理器具に使用されるフッ素樹脂はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)という物質で、禁止されている物質とは全く別物です。
フライパンに使用されるPTFEの発がん性は指摘されておらず、また、コーティングがはがれて飲みこんだとしても、体内に吸収されることはなく排出されます。
なお、PTFE そのものは人体に害はありませんが、温度が260度以上になるとPTFEが劣化し始め、360度以上になると分解ガスが発生します。
この分解ガスには人体に有害な物質が含まれており、めまいや吐き気、頭痛、呼吸困難を引き起こします。
いろいろ難しいことを(かなり大雑把に)書いてしまいましたが、安全性については、頭のいい人たちが日々研究しているので、いまのところ安全だと思って使ってください。
フッ素樹脂加工のフライパンの使い方
フッ素樹脂の特性を考えると、空焚きはNGです。
フライパンを温めてから食材を入れるのではなく、食材を入れてから火をつけるというやり方がベスト。
フライパンを空焚きすると温度が上がりやすく、360度以上になると分解ガスが発生してします。
また、フライパン自体を高温にしたり、急激に冷やしたりすると、フッ素加工がはがれやすくなり、フライパンの寿命が短くなります。
これはプライマーが劣化したり、アルミが変形したりすることが原因です。
使った直後のフライパンに水をかけて「ジュー!」といわせるようなことは厳禁です。
もう一つ、金属製のヘラなどでガリガリするのもフッ素樹脂がはがれる原因です。
ターナーやお玉などは、先端がシリコン製やナイロン製のものを使うようにしてください。
フッ素樹脂加工のフライパンの選び方
フッ素樹脂加工のフライパンの寿命は、だいたい2年くらいです。
使っていくうちにフッ素樹脂がはがれてくるので、使用頻度によっても変わってきますが、使用頻度が低くてもせいぜい3年です。
それ以上になると、使うたびに焦げ付くことになってしまいます。
なので、1~2年おきに安いフライパンに買い換えるというつもりで選ぶと、ストレスなくフライパンを使えます。
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