子どもの料理のお手伝いはSTEAM教育になる?楽しみながら身につく5つの学び

子供が料理のお手伝い

最近よく聞く「STEAM(読み方は「スチーム」)教育」。

私は大事なことだと思っているのですが、どうしたらいいかわからないという人も多いようです。

子どもに料理を任せると、時間がかかったり、キッチンが汚れたりすることもあります。

でも、料理のお手伝いには、単なる「家事のお手伝い」以上の価値があります。

料理をする中には、科学・技術・工学・アート・数学につながる要素がたくさん詰まっています。

難しいことを考えなくても、子供に料理のお手伝いをしてもらうだけでもいいんです!

そもそもSTEAM教育とは?

STEAMとは「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Art(芸術・教養)」「Mathematics(数学)」の5つの単語の頭文字を組み合わせた教育概念です。

  • S:Science(科学)
  • T:Technology(技術)
  • E:Engineering(工学)
  • A:Arts(芸術・創造性)
  • M:Mathematics(数学)

の5つの分野を組み合わせた教育の考え方です。

文部科学省では、「これらを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成」「それぞれの知識を別々に覚えるのではなく、実際の体験や問題解決を通して、複数の分野を横断的に学ぶこと」を重視しています。

でもこれって、当たり前のことなんですよね。

例えば、「包丁」を作るとき。

材料を選ぶには化学の知識が必要だし、設計するには数学が必要。

材料の組み合わせを考える知識も必要だし、材料を成型して組み立てる技術も必要。

使いやすい形やパッケージのデザイン、説明書や注意書きなんかも考えないといけません。

人間が作り出すモノって、いろんな分野の知識や技術が総動員されて作られている。

実は、毎日の料理もSTEAM教育につながる身近な体験なのです。

学校の勉強は「受験」や「試験」には必要かもしれないけど、社会に出るとそれだけでは役に立たない。

生きていくためには、それらをうまく組み合わせて使いこなす能力が必要です。

私は、STEAM教育とは、生きていくために必要な力を育てる教育だと思っています。

料理のお手伝いで「科学」を学べる

料理には科学的な変化がたくさん起こります。

例えば、卵を焼くと、透明だった卵白が白く固まります。

野菜を加熱すると、硬さや色、香りが変わります。

水を沸騰させれば、液体だった水が水蒸気になります。

子どもにとっては、これらが身近な「なぜ?」になります。

「どうして卵は固まったの?」

「野菜を茹でると柔らかくなるのはなぜ?」

「お湯から湯気が出ているのはどうして?」

こうした疑問を一緒に考えるだけでも、科学への興味につながります。

大切なのは、最初から答えを教えることではありません。

「どうしてだと思う?」と子どもに考えてもらうことです。

料理は、実際に見て、触って、匂いを感じながら科学現象を体験できる場になります。

「技術」を使う経験にもなる

料理では、さまざまな道具を使います。

包丁、ピーラー、計量カップ、計量スプーン、ボウル、泡立て器など、目的に応じて道具を選ばなければなりません。

例えば、

「この野菜の皮をむくには、どの道具がいい?」

「この材料を混ぜるには何を使う?」

と考えることも、技術を活用する経験になります。

自然と道具の構造や仕組みを理解できるようになります。

もちろん、子どもの年齢や発達に合わせて、安全な道具から始めることが大切です。

最初は、

  • 野菜を洗う
  • 材料を混ぜる
  • 調味料を入れる
  • 盛り付ける
  • 食器を並べる

といった作業から始めても十分です。

「自分で道具を使って、目的を達成する」という経験そのものに学びがあります。

「どうすれば上手くできる?」は工学的な思考につながる

料理では、思い通りにいかないこともよくあります。

例えば、

「クッキーが硬くなってしまった」

「野菜が大きすぎて食べにくい」

「料理がこぼれてしまった」

ということもあります。

そこで、

「どうしたら次はうまくできるのか?」

「何が原因だったのか?」

と考えてみます。

材料の量を変えてみたり、切り方を変えてみたり、加熱時間を変えてみたり。

これは、問題を見つけて、方法を考え、試して、改善するという工学的な考え方につながります。

料理は、完成した料理だけを見るのではなく、

「どうすればもっと良くできるか」

を考えることができる活動なのです。

盛り付けは「アート」の学びになる

料理には、創造性を発揮できる場面もあります。

特に分かりやすいのが盛り付けです。

同じ料理でも、

「どのお皿に盛ろう?」

「どこに置いたらきれいに見える?」

「赤いトマトをどこに置こう?」

と考えるだけで、料理の見え方は変わります。

色の組み合わせや形、配置、バランスなどを考えることは、アートやデザインにもつながります。

例えば、

「赤・緑・黄色の食材を使って、きれいなお皿を作ってみよう」

という遊びにしてもいいでしょう。

料理なら、絵を描くことが苦手な子どもでも、自然に創造性を発揮できるかもしれません。

「計量」は数学の勉強になる

料理と数学は、とても相性の良い組み合わせです。

例えば、

「牛乳を100ml量る」

「小麦粉を200g入れる」

「大さじ1杯を2回入れる」

といった作業があります。

これは、そのまま数字を使った実体験になります。

さらに、

「4人分のレシピを2人分にすると材料はどれくらい?」

と考えれば、割り算や割合の学習にもつながります。

例えば4人分のレシピで、

  • 小麦粉200g
  • 牛乳400ml

必要だったとします。

2人分なら、

  • 小麦粉100g
  • 牛乳200ml

になります。

教科書の問題として計算するよりも、

「実際に料理を作るために計算する」

ほうが、数字の意味を実感しやすい場合があります。

「失敗してもいい」が料理の大きな学び

子どもが料理をすると、当然失敗することもあります。

材料をこぼしたり、分量を間違えたり、盛り付けがうまくいかなかったり。

大人からすると「失敗」に見えることでも、子どもにとっては貴重な学習機会です。

「なぜ失敗したんだろう?」

「次はどうすればいい?」

と考えることで、問題解決の経験になります。

STEAM教育で大切なのは、単に正解を覚えることだけではありません。

料理では、考える → 試す → 失敗する → 改善するという体験を自然に繰り返せます。

だからこそ、料理のお手伝いでは、多少の失敗を経験させてあげることも大切です。

年齢に合わせて「できること」を任せよう

料理のお手伝いは、子どもの年齢や発達に合わせて内容を変えることが大切です。

幼児期

まずは簡単で安全な作業から。

  • 野菜を洗う
  • 材料を混ぜる
  • レタスをちぎる
  • 食材を並べる
  • 盛り付ける

などがおすすめです。

小学校低学年

少しずつ「考える作業」を増やしていきます。

  • 計量する
  • 材料を混ぜる
  • レシピを読む
  • 盛り付けを考える
  • 食器を準備する

などです。

小学校中学年以降

できる範囲で、料理全体の流れを考えてもらうのもいいでしょう。

「何を先にやればいい?」

「材料はどれくらい必要?」

「家族4人分にするにはどうする?」

など、計画を立てる経験につなげられます。

※包丁、火、熱い鍋や油などを扱う場合は、年齢だけで判断せず、子どもの発達や経験に合わせて大人が安全を確認してください。

親は「教える人」より「一緒に考える人」に

子どもと料理をするとき、つい、

「こうやって!」

「それじゃダメ!」

と教えたくなってしまいます。

もちろん安全に関わることは大人がしっかり教える必要があります。

一方で、それ以外の部分は、子ども自身に考えてもらうのもおすすめです。

例えば、

「どうしたら混ぜやすいかな?」

「この材料はどこに置いたらいい?」

「前よりおいしくするにはどうしたらいいと思う?」

と質問してみます。

答えをすぐに教えるのではなく、子どもが考える時間を作る

これだけでも、料理のお手伝いが「作業」から「学び」に変わります。

料理はSTEAM教育を自然に体験できる

料理の中には、STEAM教育の5つの要素が自然に含まれています。

STEAM料理でできること
Science(科学)加熱・冷却・食材の変化を観察する
Technology(技術)調理器具を使う
Engineering(工学)失敗を改善し、方法を工夫する
Arts(芸術)盛り付けや色・形を考える
Mathematics(数学)計量・分量・時間・割合を考える

つまり、料理は「勉強をさせる」という感覚がなくても、さまざまな学びを体験できる活動なのです。

料理のお手伝いは「生きる力」にもつながる

STEAM教育というと、プログラミングやロボット、実験などをイメージする人もいるかもしれません。

しかし、STEAM的な学びは特別な教材だけで行うものではありません。

料理のような毎日の生活の中にも、

「なぜ?」

「どうすれば?」

「やってみよう」

という学びがあります。

そして料理ができるようになることは、将来自分の生活を支える力にもなります。

食べなければ生きていけないですからね。

自分で食材を選び、分量を考え、調理し、食べる。

こうした経験を小さい頃から少しずつ積み重ねることは、STEAM教育だけでなく、生活する力を育てることにもつながります。

まとめ|子どもの料理のお手伝いを「学びの時間」に

子どもの料理のお手伝いは、単に家事を手伝ってもらうだけではありません。

食材の変化を観察すれば科学

道具を使えば技術

失敗を改善すれば工学

盛り付けを工夫すればアート

計量や分量を考えれば数学

このように、料理にはSTEAM教育につながる学びがたくさんあります。

大切なのは、料理を「勉強」にしてしまわないこと。

「一緒に作ってみよう」

「どうしたらうまくできるかな?」

と楽しみながら取り組むことです。

料理のお手伝いをきっかけに、子どもの「やってみたい」「なぜだろう」という気持ちを大切にしてみてはどうでしょうか。

毎日の食事作りが、子どもにとって身近なSTEAM体験になるかもしれません。

そういう体験を「楽しい」と感じてくれるといいなぁ、などと思っています。

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